
ちょっと気になる?海外の税理士事情とは
ふと、「海外の税理士って、どのようなサービスを提供しているのだろう?」と気になったことはありませんか?
実際、個人開業が認められない国や、無料であれば誰が所得税申告の代行をしてもよい国など、どうやら日本とは異なる税理士制度が海外にはあるようです。
そこで今回は、ちょっと気になる海外の税理士事情として、各国の税理士制度や、ウェブサイトの実例などを挙げながら海外事情をご紹介します。
海外における「税理士制度」
税務の専門家として「税理士制度」を採用している国は、海外にもいくつかあります。
具体的には、欧米ではアメリカ・ドイツなど、アジア圏では中国・韓国・ベトナム・オーストラリアなどの国で制度が定められています。
たとえば、中国・オーストラリアを例にとって税理士制度をみてみましょう。
1.「中国」の場合
中国では、税理士事務所を個人として開業することができません。
そのため、税理士事務所の多くを個人開業が占める日本とは真逆で、法人事務所が中国の徴税システムを支えています。
2.「オーストラリア」の場合
オーストラリアでは、会社員も個人事業者と同じように国民全員が確定申告をしなければいけません。
そのため、オーストラリアでは全人口に占める税理士数の比率がかなり高いという特徴があります。
(※ オーストラリア : 人口 約 2,000万人 → 税理士 約 6万人 [人口比0.3%])
(※ 日本 : 人口 約10,000万人 → 税理士 約7.5万人 [人口比0.1%未満])
また、有償独占を基本とする税理士制度になっている点も特徴的です。
すなわち、所得税申告を有償代理で行う場合は税理士資格が必須ですが、無償の場合は誰でも代理申告ができます。
このように、各国の税理士制度をみてみると日本とは異なる特徴を読み取ることができます。
海外の税理士はどのようなサービスを提供しているのか?
さて、海外の税理士はどのようなサービスを提供しているのでしょうか?ここでは実際のウェブサイトを見てみましょう。
こちらは、ある米国の税理士事務所が開設しているウェブサイトです。
「What’s your tax problem?(どのような問題をお抱えですか?)」という項目をみてみると、
実に多くのサービスを提供していることがお分かりいただけるかもしれません。
– I Can’t pay What I owe (税金を支払えない)
– Unfiled tax returns (未提出の税務申告書)
– Wage Garnishment (給与の差し押さえ)
– IRS Audit (米国歳入庁による監査)
– Bank levys (銀行口座の差し押さえ)
– Tax liens & Asset seizures (租税先取特権など)
– Payroll taxes (給与支払にかかる税金)
– Filing Joint VS.Separate (夫婦合算申告と個別申告の比較)[※ 出典: Lothamer Tax Resolution社 (米国ミシガン州)]
例にあげた事務所の個性にもよりますが、個人向けのサービスラインがかなり充実している点は特徴的といえるでしょう。
(※ 米国では、個人で確定申告を行うことが義務付けられています。)
また、ウェブサイト自体も普段から馴染みのある構成とは少し異なっているように感じられます。
税理士業界にも「グローバル化の波」は影響するか?
各国でさまざまな特徴のある税理士制度ですが、TPP参加により影響をうけることが予想されています。
今後のグローバル化の流れによっては、税理士制度をはじめとした会計・法制度にも大きな変化が起きてくるかもしれません。
普段あまり意識することのない海外事情ですが、とくに実際に海外の税理士事務所のウェブサイトを調べてみると様々な驚きがあります。
もし今回を機会にご興味をいただけましたら、ぜひ一度検索してみてください。