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【セミナーレポート】先輩税理士に聞く!独立開業の前にやっておくべきこと

こんにちは。Mikatus(ミカタス)株式会社の八鍬(やくわ)です。

会計事務所に勤務している税理士の方の中には、将来は独立開業したいという目標をお持ちの方も少なくないと思います。しかし税理士になるだけでも大変なのに、独立開業となるとさらに高いハードルを超えなくてはなりません。

現在、独立開業している先輩たちは、開業前にどんな準備をしてきたのか、開業時に何件の顧問先を抱えていたのか、そして勤務時代の収入を超えたのはどのタイミングだったのかなど、気になる点は多いと思います。

そこでMikatus株式会社は7月20日(火)、徳島県に事務所を構える鍛(きたい)昌志さん(きたい税理士事務所)、愛知県で活動する三宮大輔さん(サンアップ税理士事務所 代表)の二人をゲストに招き、独立開業に関するオンラインセミナー「先輩税理士200人から学ぶ!開業に成功する税理士の条件とは」を開催しました。ここでは、トークセッション形式で行われたセミナー後半の模様をダイジェストでお伝えします。なお聞き手はMikatus株式会社の岩原巧が務めました。


■開催日時:2021/7/20 16:00~17:00

■セミナータイトル:
「先輩税理士200人から学ぶ!開業に成功する税理士の条件とは」

■登壇者:
・きたい税理士事務所 鍛昌志
・サンアップ税理士事務所 三宮大輔
・Mikatus株式会社 マーケティンググループ マネジャー 岩原巧
(敬称略)


集客方法は紹介やホームページからの流入

――まずは簡単に自己紹介していただけますか?

鍛:徳島県神山町に事務所を持つ鍛です。開業は4年くらい前で、今でも一人で事務所を運営しています。

三宮:愛知県岡崎市で税理士をしている三宮です。開業は3年前です。私を含め、所員は4名います。

――独立開業しようと思ったきっかけを教えてください。

鍛:私はずっと東京で経理の仕事をしていたのですが、30歳の時に税理士試験の勉強を始め、合格した時は香川県高松市の税理士法人に勤めていました。税理士になってから、どうせなら地元で仕事がしたいと思ったのが独立を決意したきっかけです。

三宮:私は税理士を目指そうと思った時から独立を考えていました。税理士を志したのは人の役に立つ仕事をしたいという思いからです。人に感謝されてお金までもらえるのですから、税理士はすばらしい仕事だと思います。

――これまでに実施してきた集客方法を教えてください。

三宮:現在は100%、紹介ですので、ホームページから集客できていないことが課題だと感じています。独立したての頃は、代表社員として勤めていた前職時代の顧問先にあいさつのハガキを出したりもしましたが、どちらかと言うとそれとは別に構築してきた人間関係の中でお客様になっていただくケースのほうが多かったです。独立開業を考えるなら、いろいろなところで人とつながっておくことが大切だと思います。

鍛:私は県外で働いていて、地元に戻って開業したので、顧問先はゼロの状態からスタートしました。飛び込みの営業やDMを送るなどいろいろと一度はやってみたのですが、時間とお金がかかる割りに効果はなかったです。時間はあったので、自分で一から勉強しながらホームページを作り、1~2年経ってやっと成果が出てきたという形です。いちばん初めのお客様は、新規開業者向けのセミナーに参加した時に話しかけていただいた方です。

――勤務時代の給料を上回ったのはどのくらいの時期ですか?

鍛:なにせ顧問先ゼロでスタートしたので、1年目はほとんど収入のない状況でした。前職の給料を超えたのは3年半くらい経った頃です。

三宮:私は開業して8ヶ月くらいで前職時代の収入を上回ったと記憶しています。準備をしたうえで開業したというのもあるのですが、幸運なことに独り立ちして間もなく相続の案件をいただいたりしたので、事務所の経営が安定したのは早いほうだと思います。

開業の肝は勤務時代の人脈作り

――他の税理士事務所と差別化している点はありますか?

鍛:徳島県という地域性もあり、デジタル化が進んでいない事務所が少なくありません。そのためクラウドを利用した業務で他事務所との差別化と、クラウド会計利用者の取り込みを図っています。お客様とやり取りする資料もできる限りペーパーレス化しています。

三宮:私の事務所では①税務調査、②融資支援、③相続対策を三本柱にしています。この三つについては必ずご相談をいただきますし、むしろこれらを押さえていないとお客様に真の意味で役立つことができないのかなと思っています。

――顧問料を上げるタイミングや交渉のコツはありますか?

三宮:私のところでは顧問料はお客様の年商と連動する形を取っています。そのことは料金表にも書いていますし、契約前にお客様にも説明します。ですので顧問料は毎年、見直します。お客様の業績が良くなったら顧問料が上がるほうがこちらもモチベーションが高まりますし、いろいろ提案しやすいと思います。また当方にとって手間のかからないお客様に関しては、割引制度を設けています。

鍛:私も年商に合わせて顧問料が変動する形にしています。料金プランについては、業務内容に応じて三つ用意しています。具体的には、① 記帳代行や税務申告のみの場合、② ①に加え金融機関との交渉も含めた資金繰り改善を支援する場合、③ ①と②に加え事業計画も含めた経営全般もサポートする場合、という具合です。①については価格を高めに設定して、②と③は①をベースにしてそれぞれ加算する形にしています。

――お断りしたい案件があった場合はどうしていますか?

三宮:お客様に自ら断っていただくように話を持っていきます。例えば私どもの料金表では記帳代行について、割引を適用する前の正規料金を一仕訳50円としています。相場より高い設定だと思いますので、正規料金を提示するとたいていはお客様のほうから引いて行かれます。それでも頼む、ということでしたら割引を適用せずにお引き受けすると思います。

――最後に、独立開業を目指す税理士さんにメッセージをお願いします。

鍛:開業する前は不安もありますし、なかなか決断できないこともあると思います。私自身、開業してすぐにお金を借り、1年も経たずに使い果たしてしまったりしました。どうなるんだろうという不安の中でやってきましたが、何とか今日に至っています。最初は大変かもしれませんが、将来、楽しいことが待っていると信じて進んでいただければと思います。

三宮:開業するには事前準備が絶対に必要で、それがないなら独立しないほうがいいと私は思います。いつ独立するという目標を自分の中である程度決めて、それまでに何をするのかを逆算することをお勧めします。特にこの業界では人間関係がものすごく重要なので、独立に向けた人脈作りをしておくとよいと思います。また、今勤めているところの所長さんの実務だけでなく、どういうふうに事務所を回しているのかという部分もきっちり勉強しておくとよいでしょう。独立したら事務所の経営者にもなるので、自分自身の資金繰りをどうするのかなども重要になってきます。勤務税理士というのは学べる機会の多い環境にいますので、いろいろなことを吸収していただければと思います。

――鍛さん、三宮さん、ありがとうございました。

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以上、ここではMikatusが開催したオンラインセミナーの模様をダイジェストでお伝えしました。A-SaaS Clipでは会計事務所のお役立ち情報をお届けしますので、引き続きどうぞご期待ください。

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