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【セミナーレポート】DX支援を通して中小企業に頼られる税理士になるために

こんにちは。Mikatus(ミカタス)株式会社の八鍬(やくわ)です。

ITツールの活用により、新たなビジネスモデルの創出や、組織の生産性の革命的な向上を実現するDX(デジタルトランスフォーメーション)。昨今のビジネス環境においてキーワードの一つとして語られるDXですが、「資金や人的リソースの豊富な大企業が取り組む課題だろう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

しかし中小企業の中にもこれを進める事例は出てきており、その相談に乗れる税理士は顧問先に対して高い付加価値を提供できます。

ではDXに取り組む中小企業をサポートするために、税理士は何をすればよいのでしょうか。その答えを考察すべく、Mikatus株式会社とマネーツリー株式会社は5月26日(水)、共同でオンラインセミナーを開催しました。本記事ではその模様をお伝えします。


>>DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する記事はこちら

  税理士業界にも迫るデジタルトランスフォーメーション(DX)とは?DXが税理士業界といわれるわけを丁寧に解説! | 税理士の新しい価値を提供するフルスタック・クラウドシステムA-SaaS(エーサース) 近年、様々なメディアで取り上げられるようになったデジタルトランスフォーメーション(DX)。DXという単語は聞いたことがあってもその意味まではわからないという方も多いのではないでしょうか。実は、DXは税理士業界においても非常に重要なテーマの一つになりつつあります。ここでは、DXの基本的な意味から税理士業界で必要とされているわけ、導入のコツについて解説します。 税理士の新しい価値を提供するフルスタック・クラウドシステムA-SaaS(エーサース)



■開催日時:2021/5/26 14:00~15:00

■セミナータイトル:

「中小企業のDX支援で選ばれる会計事務所に」

■登壇者:

・Mikatus株式会社 マーケティンググループ マネジャー 岩原 巧

・マネーツリー株式会社 ビジネスデベロップメント ディレクター 山口賢造

(敬称略)



DXが会計業界に与えるインパクト

2部構成で行われたセミナーの第1部にはマネーツリー株式会社の山口賢造さん(ビジネスデベロップメント ディレクター)が、第2部にはMikatus株式会社の岩原巧(マーケティンググループ マネジャー)が登壇しました。

山口さんは第1部の冒頭で、金融業界や会計業界の直近のトレンドについて説明しました。金融業界では通帳レスやオープンバンキング(金融機関が保有するデータにノンバンクの第三者企業がアクセスする仕組み)、オンライン融資などによる非対面サービスの提供が進んでいます。

会計業界においてはペーパーレスやクラウド化が進んでいるほか、改正された電子帳簿保存法が2022年1月に施行される予定になっています。山口さんはこうした状況を説明したうえで、金融サービスのデジタル化を後押しする要素として次の3つを挙げました。

①オープンAPI

金融機関が保有するデータを外部のプログラムと連携させるために公開したAPI。金融データを自動的かつリアルタイムに取得できるようにする

②AI

人工知能。分析や仕訳の自動化、データの組み合わせを容易にする

③DX

非対面、ペーパーレス化の流れを加速させる

3つ目に挙げたDXについて、マネーツリーでは「データとデジタル技術を活用し、利用者に革命的な利便性を与えること」と定義しています。山口さんは音楽業界におけるDXの例として米国アップル社が開発したiPodやiTunesなどを挙げ、「CDを買うのではなく音楽をデータとして購入できるようになり、音楽産業自体の転換点を作りました」と説明。さらに「DXは特に経営に対して大きなインパクトをもたらすものとして期待されており、会計業界においても高度な経営支援が可能になります」と続けました。

ここで言う高度な経営支援とは、具体的には次の6つを指します。

  1. 入金情報の積み上げによる売上の予測
  2. 出金情報の積み上げによる支出の予測
  3. 家賃や人件費などの固定比率の予測(摘要欄から取得)
  4. 入出金情報の積み上げによる収支の予測
  5. 取引先の変動予兆の確認(摘要欄から取得)
  6. 預金残の推移による流動性の確認

マネーツリーではこうしたことを支援するために「Moneytree LINK」という金融データプラットフォームを提供しています。このサービスは現在、70社以上に導入されており、その大半は三井住友銀行やみずほ銀行をはじめとする金融機関だと山口さんは説明します。

同社はMoneytree LINKを中核とするサービスで、会計業界における記帳業務の自動化や仕訳業務の効率化を支援しています。具体的には、一般利用者の許可を得たうえで銀行口座やクレジットカード、証券などの取引データを取得し、Moneytree Link内に保存。それらを使いやすい形にしてAPIを介して会計事務所などに提供します。

「今後はデータ利活用による高度な経営支援を行う予定です。具体的には①入出金トレンドなどの分析、②リスクの分析、③資金繰りのシミュレーション、④オンライン融資などの与信、といったサービスを提供していきます」(山口さん)

中小企業のDXを支援する税務会計サービス「A-SaaS」

続く第2部ではMikatusの岩原が、同社のDX支援に向けた取り組みについて説明しました。

「Mikatusは中小企業の業績向上に貢献する税理士を『いい税理士』と定義し、その活動を支える税務会計サービス「A-SaaS」を提供しています」と岩原は話します。同サービスはMoneytree LINKと連携して金融データの利活用を可能にするもので、中小企業の税務だけでなく、財務や経営を支援する各種機能を提供します。

「具体的にはA-SaaSコネクトという機能が、Moneytree Linkが取得した銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を自動で取り込んで仕分け、会計データとして登録します。そのため記帳業務にかかる手間と時間を大幅に削減できます。また、従来は手作業で行っていた通帳や利用明細書の受け渡しを省略できるほか、遅れがちな税務申告や月次報告がスムーズになるというメリットもあります」(岩原)

加えてA-SaaSでは、中小企業の財務や経営を支援する機能も提供しています。これらの機能にニーズが集まる背景として、岩原は税理士を取り巻く環境の変化に言及しました。

「近年、税理士の数が増加している一方で、その顧問先である中小企業の数は減り続けています。またAIの普及により、税務申告や記帳代行などの業務は代替されることが予想されています。顧問先の財務や経営に対する付加価値の高いサービスを提供しない税理士はこれからの時代を生き残っていけません。A-SaaSに含まれるキャッシュ・イズ・キングやYOSOD(ヨソッド)といった機能を使うと、こうした課題をクリアできるようになります」(岩原)

キャッシュ・イズ・キングは文字どおりキャッシュに着目し、過去2年分の会計データをもとに、ワンクリックで資金繰りの将来予測を実現するサービス。会計データはA-SaaSコネクトによって自動で入力されるので、記帳から資金繰り予測までを手間をかけずに行うことができます。

将来の資金繰りを予測した際、例えばキャッシュがマイナスになることが懸念される場合などに、打ち手を検討できるのも同サービスの特徴の一つです。具体的には商品の原価率や人件費、借入などの数値を画面上で調整することで、1年後にキャッシュがどうなるかをシミュレーションできます。このシミュレーションを見ながら顧問先の経営者と打ち手を議論することで、とるべき経営戦略を明確にしていくことが可能です。

一方のYOSODは、顧問先の収益性や健全性、賃金に関する経営指標について同業他社と比較・分析を行うためのツールです。A-SaaSのユーザーである会計事務所が入力したデータを利用するため、高精度な比較・分析が行えます。

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以上、ここではMikatusとマネーツリーの共催によるオンラインセミナーの模様をリポートしました。A-SaaS Clipでは会計事務所のお役立ち情報をお届けしますので、引き続きどうぞご期待ください。

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