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その手があったか!相続案件をがっちり掴める税理士になるための秘訣

税理士試験科目に民法がないことが問題

生前贈与や相続税案件は事業承継と並んで、極めてデリケートな問題として扱われます。人間の欲望やネガティブな感情が如実に反映されるため、いかに穏便に解決できるかが税理士の腕の見せ所となります。税理士として相続税の計算ができるだけでは事足りず、民法に関する知識があればあるほど、信頼性の高い提案をしていくことが可能となります。
相続順位や法定相続分の割合以外にも、相続の承認や放棄、遺産分割、遺贈の種類に関する知識がなければ、質の高いサービスを提供することはできません。そこで今回はさらに相続に関する民法をご紹介したいと思います。

相続税に関する制限行為能力者制度とは?

制限行為能力者には未成年、成年被後見人、被保佐人、被補助人の4種類が民法で定められていますが、各税法上で制限行為能力者に関する規定がないのが現状です。
未成年であったとしても15歳に達すれば単独で遺言することができる(民法第961条)など、未成年だから法定代理人の同意が必要だと早急に結論づけられないこともあるため、民法を細かく確認する必要があります。
また事理弁識能力の欠如度合いによって成年被後見人、被保佐人、被補助人に区別されます。被保佐人と被補助人に関しては財産管理能力はあると判断されているため、取り消しできない行為が増えます。
そのため、民法に詳しい税理士はワンストップでさまざまな問題に対応することができるのです。

え!遺産分割前に登記されてしまいました。

遺産を分割する前に相続人以外の第三者が登記した場合は、民法第909条の但書により保護されます。つまり第三者に所有権が移転することは問題とはなりません。当該第三者が自分に譲渡されたら相続人が困るとわかっていたとしても、不動産登記による対抗要件によって保護されることになるのです。
しかし所有権が移転してしまうとその所有物を自由に使用したり処分することができるため、何としてでもその遺産を取り戻したい場合があります。そのようなときには1か月以内にその相続分の価額+譲渡に要した費用を償還することによって、相続分を取り戻すことが可能となります。
また遺産分割後に第三者が登記した場合、民法第909条の遡及効規定により相続人と第三者が対抗関係となるため、どちらが先に登記をしたかによって所有権が決定することになります。

遺言の方式3種類が正確に言えますか?

遺言には普通方式と特別方式があり、一般的な遺言方法は普通方式の自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。自筆証書遺言以外は証人または立会人が必要となりますが、未成年者や推定相続人、配偶者や直系血族、使用人は証人や立会人になることができません。
遺言はそのときの状況変化に応じた内容に更新しなくては意味がないため、前回の遺言を撤回する必要があります。撤回するための遺言は前回と同じ方式でなくてもよく、いつでも自由に撤回することができます。たとえば最初の遺言は公正証書遺言で、2回目以降の撤回遺言は自筆証書遺言にしても問題ありません。また撤回遺言をせず、対象遺産を破棄することによって撤回することも可能です。
また先にご紹介した制限行為能力者が遺言をした場合に取り消されてしまうのかという問題が生じますが、一時的に能力が回復し、2名以上の医師が立ち会うという条件下でのみ有効となります。

相続税を専門に扱う税理士先生にとっても改めて民法を眺めると新たな発見があったのではないでしょうか?各当事者間の要求を最大公約数の部分に落とし込むことで、論理的に解決する方法も決して間違いではありません。しかし一見遠回りとも思える手段を選択することがゴールにたどり着く最短ルートであることもあるのです。

まとめ:相続案件で好評価を得るために必要な民法知識3選

1.制限行為能力者の種類とその違い
2.相続遺産登記トラブルの対処法
3.遺言アップデートの方法
相続税に詳しい税理士になって、高齢富裕層の残された家族に関する贈与税などの案件をどんどん取り込みましょう!

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