
身に覚えが…ベテラン開業税理士にありがちながっかり4選
「紙でも大丈夫」時代錯誤な論理で押し切る
顧問先からペーパーレスの相談を受けて、「あーやりたくないなぁ」「面倒くさいなぁ」と思ってしまったそこのあなた!「法定帳簿は紙で保存するのが原則」理論を持ち出して逃げ切っているつもりでいるかもしれませんが、顧問先からは「…古い税理士先生だな」と思われている可能性が非常に高いです。
今後ますます事業継承が加速し、生まれたときからネット環境がある世代にバトンが手渡されていくことを見据えたとき、新しい技術を取り入れない開業税理士はどんどん淘汰されることが容易に想像できます。
「だって…でも…」成功体験を捨てられない
昔はそのシステムでうまくいっていたかもしれません。民法においても嫡出子と非嫡出子の法定相続分の割合が平等になったのは平成25年12月のことです。時代の変化によってこれまでのやり方が非常識となってしまったり、セクハラやパワハラで訴えられてしまうことすらあります。それでもなお抽象的な政策や根性論が横行しているのは、投票率の高い世代に応じる必要があるからという事実があります。
成功している人は、自身の成功体験をどんどん捨てています。ファーストリテイリングの柳井社長やトヨタのグループ再編などがその実例です。いままでのやり方が通用しなくなっているということは、市場が変化していることに他なりません。変化が苦手な人ほど過去に執着する傾向があります。
現在の高い投票率世代がいなくなったときに周囲を見渡すと、あなただけ取り残されているというのはあり得ない話ではないのです。
日本という国家システムに依存している
天下りといった既得権益がもたらす恩恵を享受できないからと政府批判ばかり声高に叫ぶのは結構ですが、その問題点を解決する手段を同時に提示できてこそ、それは不平不満ではなく意見となるのではないでしょうか。また、日本政府に満足できないのであれば、日本を変えようとせず自分が居心地のよい場所へ出国すればよいだけの話です。海外移住や国籍離脱の自由は日本国憲法第22条で定められている通りです。それでも日本に居続けるという選択をしているからには日本という国家システムに文句は言えないはずです。納税するということは日本という国に投資または寄附していると考えることができます。納税したくなければ国籍を離脱する自由も存在するわけです。日本という国家システムに助けてもらっているという現実を直視することができたときに、顧問先の節税対策に新たな意味が生まれるのです。
国税徴収システムが永遠に続くと信じている
所得税、法人税、相続税、自動車税…ありとあらゆる国税がなくなるわけがない、そういうシステムにしてきたのだからという自信の根拠はどこから来るのでしょうか?たしかに国税が徴収できなくなることは、日本という国家そのものが存続できなくなることを意味するため、現実的には不可能です。しかし日本という国家に魅力を感じなくなった有能な人材は海外を拠点にし、日本を単なる市場として捉えるようになり、日本からお金を搾取するようになるでしょう。これは数年後の話ではなく、既に現実となっている話です。合法的に法人税を支払わないグローバル企業が出てきていることは、Google税という言葉ひとつでご理解いただけるのではないでしょうか。
またすべての国外取引は課税対象とはならず不課税取引となるため、船舶や航空機を海外に停泊・格納したまま資産を譲渡するケースは今後ますます増加するでしょう。
国税徴収システムを妄信するのではなく疑問に感じる思考や発想こそが、顧客を第一に考える税理士になれるのです。「そもそもこのシステムって必要?」「無駄じゃない?」「意味ある?」原点回帰したときに生まれるさまざまな疑問を解決しようとするプロセスの中で、あなただけが持つ強みが浮かび上がってくるでしょう。
まとめ:ベテラン開業税理士にありがちな古い思考4選
1.時代に逆行した論理で押し切る
2.過去の栄光にしがみついて、時間が止まっている
3.日本という国家システムに依存している
4.国税徴収システムが永遠に続くと信じている