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令和2年分年末調整の変更点まとめ! 今年は「ひとり親控除」の新設がポイント

みなさま、こんにちは。
Mikatusの岩原です。

間もなく、毎年恒例の年末調整シーズンがやってきますね。
会計事務所で働くみなさまにとっては、繁忙期に差し掛かる最初のイベント。特に今年度は大きな制度変更もあるので、早めに内容をチェックしておきましょう。
本記事では、主な改正内容を大きく6つのポイントにまとめてご紹介していきます。


目次[非表示]

  1. 1.基礎控除額の引き上げ
  2. 2.給与所得控除額の見直し
  3. 3.所得金額調整控除の創設
  4. 4.扶養親族等の合計所得金額の要件等の改正
  5. 5.「ひとり親控除」の新設及び寡婦(寡夫)控除の見直し
  6. 6.年末調整書類の大幅な変更


基礎控除額の引き上げ

基礎控除額は、これまでは収入・所得金額に関係なく、一律38万円が控除されていましたが、令和2年からは最大48万円に引き上げられます。
ただし、合計所得金額が2,400万円を超えると段階的に控除額が減っていき、2,500万円を超える場合は控除額がゼロとなります。


出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm



給与所得控除額の見直し

基礎控除額が引き上げとなった一方で、給与所得控除額は一律で10万円が引き下げとなりました。
また、令和元年では年収1,000万円が上限ラインとなっていましたが、令和2年からは年収が850万円を超えた時点で、給与所得控除額は頭打ちとなります。
つまり、年収850万円を超える場合、控除額が10万円以上の引き下げとなり、税負担が増加します。


出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm


「基礎控除額の引き上げ」と「給与所得控除額の見直し」をあわせると、給与年収850万円以下の方は、今回の制度変更による控除額の増減はプラスマイナス0となり、改正に伴う税額への影響はありません。しかし、給与年収850万円を超える場合は「所得税の増税」になります。

そこで、子育て・介護世帯への負担を軽減するための配慮として、「所得金額調整控除」という控除が創設されることになりました。



所得金額調整控除の創設

【子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除】
下記要件のいずれかに該当する場合は、給与の収入金額から850万円を控除した金額の10%に相当する金額を給与所得から控除することができます。

<要件>
給与収入が850万円を超えて、下記のいずれかに該当する場合
・所得者本人が特別障害者
・同一生計配偶者が特別障害者
・扶養親族が特別障害者
・扶養親族が23歳未満(平成10年1月2日以後生)

所得金額調整控除の計算方法
(給与等の収入金額(1,000万円上限) - 850万円)× 10%


【給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除】
給与と年金の両方の所得がある場合でその合計額が10万円を超える方については
給与所得控除後の給与等の金額(10万円超の場合は10万円)

公的年金等に係る雑所得の金額(10万円超の場合は10万円) - 10万円
を所得金額調整控除として控除することができます。
(※控除は最高10万円まで可能)



扶養親族等の合計所得金額の要件等の改正

同一生計配偶者、扶養親族、源泉控除対象配偶者、配偶者特別控除の対象となる配偶者及び勤労学生の合計所得金額要件がそれぞれ10万円引き上げられ、次の表のとおり改正されました。


出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/users/gensen/haigusya/henkou.htm



「ひとり親控除」の新設及び寡婦(寡夫)控除の見直し

令和2年度税制改正の大きな変更点です。
これまでの寡婦(寡夫)控除は離婚や死別によって配偶者がいなくなった人に適用されていましたが、昨今の「未婚のひとり親」増加に対応し、令和2年度税制改正で、「ひとり親控除」が新設されることとなりました。

またこれまでは、男性のひとり親(寡夫)が控除を受ける場合は女性のひとり親(寡婦)に比べると控除額が少ないなど、性別によって扱いが異なっていました。
こうした点も見直され、今回の改正により、婚姻歴・性別によらず、すべてのひとり親に対してひとり親控除が適用されるようになります。

以下のすべてに該当するひとり親について、ひとり親控除が適用されます。

<要件>
・婚姻歴や性別にかかわらず、生計を同じとする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者
・所得が500万円(年収678万円※)以下
・住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がないこと
※ 収入が給与収入のみの場合


詳しくは、以下の図をご覧ください。

出典:財務省
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei20/kojin.html#kojin01



年末調整書類の大幅な変更

これまで配偶者のある給与所得者については、年末調整において「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が必要でした。令和2年度からは、今回新しく増えた「給与所得者の基礎控除申告書」「所得金額調整控除申告書」と統合された「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」の提出が必要になります。


出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_73.htm



最後に
いかがでしたでしょうか?
全体を通して、例年以上に難解な改正内容と言えそうですね。

特に、新しくできた「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」は記載内容が複雑なため、従業員への事前周知が業務を効率的に進めるカギになると思われます。

繁忙期を控えた会計事務所のみなさまにとっては、いきなり負荷の高い業務となってしまうかもしれませんが、便利なクラウドシステムなどを利用して、まずは年末調整を乗り切っていきましょう!

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